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Webシステムとは?Webサイト・Webアプリ・Webサービスの違い

Webシステムとは、Web技術を利用したシステム全体のことです。WebサイトはWeb経由で情報発信するもの、Webアプリは人がWeb経由でサービスを利用するもの、WebサービスはプログラムがWeb経由でサービスを利用するものです。

【目次・Webシステムとその種類】

Webシステム

Webシステムとは、インターネット経由で、Webサーバー上に構築されたコンテンツやアプリケーションを利用するシステムのことです。
PCやスマートフォンなどのデバイスをインターネットに接続してドメインにアクセスし、コンテンツの閲覧や、アプリケーションの利用ができるシステム全般を指します。
エンドユーザーが直接利用するアプリケーションだけでなく、それを実現するためのシステム基盤まで含まれます。

Webシステムは、ユーザーが操作するWebクライアントと、処理の大部分を担うWebサーバーで構成されます。
Webシステムの基本的な仕組みは、以下のようになっています。

1. Webクライアントが、Webサーバーにリクエストを送信する。
2. Webサーバーが、受信したリクエストに対する処理を行い、レスポンスを返信する。
3. Webクライアントが、受信したレスポンスを画面に表示する。

また、規模の大きいWebシステムの場合、サーバー側をWebサーバー、APサーバー、DBサーバーの3層構造とするケースが多いです。

Webサーバーの役割は、ユーザーインターフェースです。

  • Webクライアントからのリクエストを受け付け、APサーバーにデータを送る。
  • APサーバーから表示画面のデータを受け取り、レスポンスとしてWebクライアントに送る。

APサーバー(アプリケーションサーバー)の役割は、業務処理(ビジネスロジック)です。

  • Webサーバーからデータを受け取り、業務処理を行い、表示画面をWebサーバーに送る。
  • 処理の過程で、DBサーバーのデータの取得・更新を行う。

DBサーバー(データベースサーバー)の役割は、データ処理とデータの蓄積です。

  • APサーバーからのクエリに応じて、データの抽出・更新・追加・削除を行う。

複雑なシステムでは業務処理やデータ処理の負荷が高くなり、アクセス数が多いシステムではユーザーインターフェースの負荷が高くなります。
サーバーを3層構造とし、それぞれの層ごとに負荷分散することで、システム全体を最適化することができます。


Webサイト

Webサイトとは、インターネット上に公開された、情報発信を目的とするWebページの集まりのことです。
Webページは、文章や画像、動画などのコンテンツで構成され、情報を一方的に発信するものです。
サイト内検索やコメントなどの補助的な機能を持っていても、中心的な役割が情報発信であれば、Webサイトと呼ばれます。
企業のコーポレートサイトや個人ブログなどが、Webサイトに当たります。

最もシンプルなWebサイトは、WebサーバーにHTMLファイル、CSSファイル、画像ファイルを置いただけの静的なサイトです。
現在は、CMS(WordPressなどのコンテンツ管理システム)でWebページを動的に生成する方法が主流です。
CMSはWebアプリケーションの一種ですが、CMSで管理されている動的なサイトもWebサイトと呼ぶのが一般的です。


Webアプリケーション

Webアプリケーションとは、WebクライアントとしてWebブラウザ(Google ChromeやSafariなど)を使用し、Webサーバーと通信することで機能やサービスを提供するシステムです。
Webアプリケーションは、Webアプリと呼ばれることもあります。
WebサイトがWebページに情報を表示するだけなのに対し、WebアプリではWebページ上で操作を行うことにより、Webサーバーと情報を双方向にやり取りし、動的な機能を利用することができます。
オンラインショップやインターネットバンキングが、Webアプリに当たります。

ちなみに、PCにインストールして使用するアプリケーションはデスクトップアプリ、スマートフォンにインストールして使用するアプリケーションはネイティブアプリと呼ばれます。
一昔前のデスクトップアプリは、全ての処理がデバイス内で完結している、スタンドアロンのアプリケーションが一般的でした。
しかし、現在は、Webクライアントとして機能し、Webサーバーとデータをやり取りするデスクトップアプリやネイティブアプリが主流となっています。
メールソフトやオンラインゲームが、Webを利用したデスクトップアプリ、ネイティブアプリに当たります。


Webサービス

Webサービスとは、W3Cにおける定義では、外部のプログラムから呼び出せる機能(処理ロジック)を提供するシステムとされています。
Webアプリが人が利用するシステムなのに対し、Webサービスはプログラムが内部で利用するシステムです。
Webサービスは、Web APIを介して、データの取得や追加、削除などの操作を受け付けます。
クラウドサービスや地図情報サービスが、Webサービスに当たります。
しかし、現在では、Webを経由してエンドユーザーにサービスを提供するシステムを、Webサービスと呼ぶ人が増えています。


まとめ

Webシステムとは何かについて解説しました。
Webシステムは、Web経由でコンテンツを閲覧したり、サービスを利用したりできるシステム全般のことです。
Webサイト、Webアプリ、Webサービスの違いは、以下の通りです。

  • Webサイトは、Web経由で情報発信するもの
  • Webアプリは、Web経由で人が利用するサービスを提供するもの
  • Webサービスは、Web経由でプログラムが利用するサービスを提供するもの

Webシステムを開発する場合、プログラムの処理が動いている場所やデータが保存されている場所が、WebクライアントなのかWebサーバーなのかがポイントとなります。
また、規模が大きいシステムの場合は、サーバー側を3層構造にすることを検討します。